福祉未来改革とは
〜3つのチェンジ〜
1
「事実」のチェンジ
障がい者福祉の闇
現実的な問題
「事実」の解決。
2
「認識」のチェンジ
自立を大前提とした既存の
障害者福祉政策の固定観念
綺麗ごとだらけの報道からの
「認識」の転換。
3
「制度」のチェンジ
既存の「事実」と「認識」を
打ち破る、未来に向けた
合理的・経済的な知的障がい者福祉
「制度」への改革。
知的障がい者への人権侵害の
危険が生じている
障害者総合支援法の法律上の不備や運用により、
知的障がい者への人権侵害の危険が生じていること
(1)「事実」「認識」のチェンジ
①一般的な認識(一般人の認識)
- 行政は、施設内での障害者虐待を防ぐため、どんどん施設への調査を実施するべきだ。
- 行政は、障がい者を虐待から守るために施設の調査を実施するのであって、行政職員が障がい者を泣かせたり怖がらせたりするはずがない。
- 障がい者に関する法律(障害者総合支援法等)でも、障がい者の基本的人権の尊重などが記載されていて、法律上もきちんと障がい者の権利が保障されている。
②現実に生じた「事実」
- 行政職員は、施設への調査時に、施設を利用する知的障がい者も調査対象とした。その際、行政職員は、障がい者本人や保護者の同意を得ることなく、施設外に連れ出し、保護者等の立会いを行うこともなく密室での事情聴取を実施した。
- 行政職員は、女性の知的障がい者に対して密室で初対面の男性2名による質問を行い、調査の必要があるという理由で、障がい者が聞かれたくない事情まで質問し、録音を行った。結果として、ショックを受けた障がい者は、号泣し、自殺未遂を引き起こし、現在でもPTSDに準ずる診断を受けている。
- 調査の根拠法令である障害者総合支援法には、知的障がい者に対する配慮規定が存在しない上に、運用上のマニュアルも知的障がい者の特性に応じた配慮事項の記載はない。
⇒ 一般的にイメージする「行政職員が障がい者を怖がらせたりはしない」といったイメージとはかけ離れた「事実」が生じている。
(2)「制度」のチェンジ
①議員連盟やワーキングチームでの国会議員の発言要旨
【秋元司・衆議院議員】
- 知的障がい者に事情聴取をする場合、健常者とは異なり、自力で弁護士を呼んだり、質問を拒否する意思表示をすることは、困難なことが多い。 仮に調査を実施する行政職員に悪意が無かったとしても、誘導的な質問や不安にさせる質問などによって、障がい者に被害が生じないよう、保護者の立会いや事前の綿密な調査など、知的障がい者の特性に合った合理的な配慮を行うべきである。
- 障害者総合支援法に知的障がい者に対する配慮規定がないことは明らかであり、立法過程でも検討されていないのは明らかであって、早急に対応する必要がある。
②「提言書」による『制度』のチェンジへ
- 行政職員は、施設への調査時に、施設を利用する知的障がい者も調査対象とした。その際、行政職員は、障がい者本人や保護者の同意を得ることなく、施設外に連れ出し、保護者等の立会いを行うこともなく密室での事情聴取を実施した。
- 行政職員は、女性の知的障がい者に対して密室で初対面の男性2名による質問を行い、調査の必要があるという理由で、障がい者が聞かれたくない事情まで質問し、録音を行った。結果として、ショックを受けた障がい者は、号泣し、自殺未遂を引き起こし、現在でもPTSDに準ずる診断を受けている。
- 調査の根拠法令である障害者総合支援法には、知的障がい者に対する配慮規定が存在しない上に、運用上のマニュアルも知的障がい者の特性に応じた配慮事項の記載はない。
⇒ 6月6日付第4回議員連盟で採択された「提言書」の概要
知的障がい者の高齢化問題、
親亡き後の知的障がい者の問題
知的障がい者の高齢化問題、親亡き後の知的障がい者の問題は、
健常者の老々介護問題に比べて些細な問題であるとの一般認識について
(1)「事実」のチェンジ
① 一般的な事実認識(一般人の認識)
- 知的障がい者は、人口も少ないし、健常者に比べて寿命も短いから、健常者の高齢化・老々介護問題よりも、大きな問題ではないはずだ。
- 仮に、知的障がい者の高齢化が進んでも、国の今の制度で何とか対応可能なはずだ。
② 実際に生じている「事実」
- 医療の発達により、知的障がい者の平均寿命が延びていることは明らかとなっている。 厚生労働省の調査データでも、「在宅」の知的障がい者に限ってみても、平成23年から平成28年の5年間で、65歳以上の高齢知的障がい者人口が10万人増加している。(生活のしずらさなどに関する調査:平成28年:厚労省)
- なお、入所施設に限ると、毎日新聞のアンケートによると、60歳以上の知的障がい者割合は42%という結果も出ている。(平成29年7月17日付記事)
(2)「認識」のチェンジ
① 家庭で支援・介護をすることが望ましいという方針
- 現行の国の政策は、介護保険制度にしろ、障がい者施策にしろ、「在宅介護」「地域移行」が大前提となっており、原則として家庭で支援・介護をすることが望ましいという方針である。
⇒ なんでも国が面倒見てくれるはずという「認識」からのチェンジ
② 家族の高齢化
- 現行制度のままでは、知的障がい者を抱える家庭では、障がい者の親が生活のために働きつつ、超高齢化した自分の親の介護を行い、更には知的障害を有する自分の子供の介護を行うことになる。仮定であるが、40歳の知的障がいを有する自分の子供の世話をしつつ、80歳を超えた自分の親の介護を行うという状況になる。
⇒ 国の「地域移行」「在宅介護」至上主義は、現実の家庭に置き換えた場合、実現不可能であるという「認識」へのチェンジ
(3)「制度」のチェンジ
① 議員連盟・勉強会での発言
- 知的障がい者(児)のかかりつけ医は、子供の時からずっと変わらないことも多く、小児科医が担当し続けることが多い。小児科医でもある立場から発言させてもらうと、知的障がい者の高齢化・長寿化はどんどん進んでおり、30・40歳を超えても小児科医を利用する知的障がい者の方が増加している実態がある(自見はなこ参議院議員[小児科医])。
- 都会ならまだしも、地方・田舎の実情は過疎化が進み、健常者の家庭でも親の介護で四苦八苦している状況である。このような状況で、知的障がい者の生活を「地域」で支え合いましょうと言われても、不可能である。どこも家庭も、健常者の親の介護だけで精一杯である。(障がい者福祉研究所代表 足高慶宣)
⇒ なんでも国が面倒見てくれるはずという「認識」からのチェンジ
② 「制度」のチェンジ
- 議員連盟の最終的な目標を、親亡き後の知的障がい者が安心して生活できる「終の棲家」の制度的構築とした。
- 知的障がい者の特性に合った終の棲家を実現する為、議員・関係省庁・福祉現場の職員・障がい者の保護者が意見をぶつけ合い、現実的かつ合理的な政策の実現に向けて邁進することとなった。
⇒ 新たな「制度」へのチェンジ