第9回 知的障がい者の明日を考える議員連盟

-新体制にて知的障がい者の方々への新型コロナ対策等に挑む-

令和3年12月10日、自民党国会議員24名及び厚生労働省職員5名により、第9回議員連盟が開催された。同会では、知的障がい者への3回目のワクチン接種の施策状況や新規役員の改選等に関して議論がなされることとなった。


トピックス

  • 議連の役員改選・新規入会者の承認がなされ、新規入会者15名を含む計57名体制となった。
  • 厚生労働省より、障がい福祉分野における新型コロナ対策の現状と3回目のワクチン接種に関する説明がなされ、障がい者への接種優先権はないものの、必要十分なワクチン量の確保がなされている旨の説明等がなされた。
  • 各議員より厚生労働省に対し、1回目2回目のワクチン接種では知的障がい者への接種が大幅に遅れるなどのケースが生じていたことを踏まえ、迅速な3回目の接種の徹底と、知的障がい者への接種優先権の付与を求める声が相次ぐことになった。

左・三原じゅん子幹事長 右・野田聖子会長

議事の抜粋

知的障がい者の明日を考える議員連盟 新規入会者15名を含む57名体制へ

第9回議員連盟の冒頭では、10月の衆議院選挙の結果を踏まえ、役員の改選および新規入会者の承認がなされました。

主な役職者は、会長・野田聖子議員(こども政策担当大臣)、幹事長・三原じゅん子議員(前・厚生労働副大臣)、事務局長・青山周平議員(元・文科大臣政務官等)となっています。
また、新たに会長代理として、福祉施設の実情に通じているそのだ修光議員が就任され、新規入会者15名を含む計57名体制で新型コロナ対策や親泣き後の終の棲家問題の解決に向け取り組んで行くことになりました。

会長代理 そのだ修光議員(抜粋:ワクチン接種に関して)

そのだ修光議員(参議院議員):私自身、これまで介護分野で福祉現場に携わってきましたが、介護や福祉の現場では本当に可能な限り早くワクチン接種を行う必要があると考えています。高齢者の方々は体力面等で重度化しやすいため優先的に打つ必要があるのですが、知的障がいをお持ちの方々も基礎疾患等を有することが多く、重度化の恐れが高い状況に置かれています。そのため、高齢者と同時期に、(特に大規模クラスターが生じやすい)施設の中で生活される障がい者の方々や職員にも可能な限り早く3回目の接種を行う必要があります。何とか迅速に3回目の接種ができるよう、野田会長や三原幹事長と共に尽力していきたい。

そのだ修光議員(参議院議員)

そのだ修光議員(参議院議員):(ワクチン接種に関する厚労省の通達を)各市町村が十分理解しているかというと、できていない市町村もあって、それが接種の遅れや混乱を生じさせている一因でもあるわけです。地方分権や自由裁量と色々言われているわけですが、障がい者分野の場合高齢者の用語や枠組をそのまま流用していて、さらに混乱が生じやすい。だから、今一度、ワクチン接種の通達も含めてしっかりと議論をしていかないと、障がい者の方々や施設の方々が本当に困ってしまうと考えています。

3回目のワクチン接種等に関する厚労省側の説明

本議連の開催に当たり、事務局長の青山周平議員から厚労省側に対し、知的障がい者に対する3回目のワクチン接種に関する行っていただきました。

当該問合せに対し、厚労省側からは、
① 健常者や知的障がい者を問わず、2回接種完了者すべてに対して追加接種の機会を提供すること、
② 追加接種の次期は2回目接種完了から原則8カ月以上を開けること、
③ 追加接種用のワクチンとして令和2月3月期だけで3700万回分のワクチンを配分予定であること、
といった説明がなされております。

【出典】厚生労働省作成資料より抜粋

厚労省側の説明に対する各議員からの質疑等(抜粋)

青山周平議員(事務局長):これだけは明確にして欲しいのですが、そもそも(知的障がい者への)優先接種という考え方は、3回目の接種にあるのでしょうか?

青山周平議員(事務局長)

高村正大議員(事務局次長):前回の6月の議連の時にも、施設への集団接種あるいは施設スタッフに優先権を付与して欲しいという要望がありました。けれども、それがまだ実現されていない。これ今後3回目の接種っていうことはどうなっているのか、どのようにに考えていらっしゃるのか、厚生労働省の考えをまず教えていただきたいと思います。

高村正大議員(事務局次長)

厚生労働省側:(優先)順位というものはございません。基本的には(接種期間を)8カ月は開けないといけないので…。

青山周平議員(事務局長):ということは、1回目、2回目の接種で遅れが生じていた施設の場合、そのまま接種時期がずれてしまうということですよね。

厚生労働省側:最低、半年間はあけないと、ということですので。

厚労省側

青山周平議員(事務局長):厚労省で今揉んでいるっていうことですよね?(8カ月ではなく)6カ月の期間で3回目を打てるかということ。基本8カ月は空ける必要があっても、6カ月間に縮めることがどこまで具体化できるかということですよね。

鈴木英敬議員:ワクチンPTでの厚労省の方の説明によると、8カ月という期間を6カ月に短縮するような場合、例えばクラスターが発生した場合などですが、この具体的な基準を近々お示しすると言っていただいています。

中央・鈴木英敬議員(新入会)

鈴木英敬議員:私の地元の三重県でも、施設内でクラスターが発生した場合は本当に大変だったわけです。だからクラスターが発生してからでは遅いので、大規模なクラスターが発生しやすいような施設から早く打てるようにするといったそういった見解を(厚労省側には)示してもらいたい。障がい者施設の皆様が安心できるような材料が何かないかなと考えています。

三原じゅん子議員(幹事長):ワクチンの件ですが、1回目2回目の接種の段階で、『施設のスタッフがちゃんとワクチン接種を受けられない』といった苦情がたくさん来ておりました。その点はずっと、(厚労省の)皆様にお願いをしてきているのですが、そうしたことが未だ改善されているとは思えないので、3回目に関してものすごく心配をしております。

中央・三原じゅん子議員(幹事長)

三原じゅん子議員(幹事長):ワクチンの接種に関しても、実際の担当窓口が厚生労働省なのかワクチン担当大臣なのか、窓口ももう少しはっきりとしていただけたらありがたいなと思っております。

その他現状に関する意見等

山本左近議員(新入会)

山本左近議員:私の地元の一例ではありますが、1回目2回目のワクチン接種の時に、(就労系施設を併設する)入所施設に入っている方々にはワクチンが直ぐに届きまして、打つことができました。しかし、在宅からその就労系施設に通っている人たちには打てなかったんです。そうすると何が起こるかと言うと、ワクチンが接種をしていないのでこの就労系に通うことができず、日中の作業ができなかった、制限をしてしまったというケースが生じていました。どうか入所支援施設と在宅を分けることなく、しっかり最初から一体としてワクチン接種を実施していただきたいと思っております。

資料


PDF形式のファイルをご覧いただくには、Adobe Readerが必要です。

Adobe Readerをダウンロードしてご覧頂けます。