施設名:社会福祉法人 藤の実会
部署名:ところざわ学園
都道府県:なし
内容:
1.藤の実会での対応と直面した問題点
対応
他法人より新型コロナウイルス発症の利用者がでたと報告あり。当法人グループホーム利用者が発症者と同じ通所施設に通っていたため、情報収集と、利用者の自宅帰省のお願いと、グループホーム内のゾーンニング。職員の担当固定。消毒。
1週間後、当法人グループホーム利用者も陽性となり、当法人内の関係通所事業所は、休所。利用者は自宅待機。毎日、各家庭に電話し健康観察と相談実施。職員も自宅待機であるが数名は事業所内消毒と電話対応で勤務。
通所事業所の休所期間終了後は、送迎バスや事業所内の密を軽減するため、利用者に輪番制での利用の協力要請。
当法人グループホーム利用者の陽性の方が、陰性で解除になるまで約50日要した。
問題点
・他法人、保健所、市町村などと、初期対応の情報共有や収集が出来なかった。情報がないと水際対策が行えなかった。理由は、個人情報やプライバシー保護の問題。
・症状が出ないとPCR検査を実施してもらえない。濃厚接触調査対象者となった疑わしい方で陽性か陰性か、はっきりしない状態でグループホームや入所施設などの集団生活をしている方の静養は、感染拡大リスクの観点からPCR検査を実施してもらいたい。検査体制の強化を願う。
・集団(多人数)の施設であるグループホームや入所施設など、ゾーニングが難しい。グループホームについては、個室になっているので待機してもらえるが、知的障害者の特性上、共有部分などに出てきてしまい陽性者と陰性者が密になること有り。また、施設は余分な部屋など確保していないため、隔離やゾーニングができず、衛生面が保てなくなる。
入所施設においても2人部屋などがあり、個室にする事が出来ない。また、ゾーニングをビニールシートなどでの仕切りを設けると、消防設備(スプリンクラーや感知器)に支障が出てしまう
・衛生備品の調達ができない。(特にアルコール、医療用マスク、ゴーグル、ガウン)
・「感染症の患者は入院させなければならない」と法律ではなっているが、知的障害の方や軽度の陽性者は入院や宿泊療養等させてもらえず、グループホームでの静養となる。在宅の場合も同様で、保護者からは高齢の保護者では命の危険を伴うのでどうにかならないのかと相談があった。
・利用者や職員の感染拡大を最小限にするため、陽性者支援の担当職員を固定。
陽性者を支援する職員は、自分自身に感染リスクがあり、また、通常とおり家庭から通うため家族への感染リスクもあるため、単身での宿泊施設が必要である。利用者、職員用のコンテナハウスなど検討したが建ぺい率や建築許可、費用など短期間で行えない問題があった。
・衛生管理については保健所や病院の指導があったが、医療関係者のように知識がなく、又、衛生用品も乏しい中、福祉施設職員は陽性者を支援するのに不安が大きく、人材の確保・定着も難しい。医療、看護の協力体制や職員の人材確保・定着するための支援もいただきたいのが現状である。